単語帳

あ行

安定期
(あんていき)
つわりなどの症状や、流産の発生率が少なくなり、妊婦さんの体調が安定してくる時期。胎盤が完成する16週以降をさすことが多いようです。
息切れ
(いきぎれ)
息苦しくなったり、心臓がどきどきすること。妊娠すると、子宮が大きくなるにしたがって横隔膜を押し上げるので、肺が圧迫されて呼吸が苦しく感じられます。また、赤ちゃんが大きくなるにつれ、血液量が増えるので、心臓の負担が大きくなり動悸を感じることがあります。
会陰切開
(えいんせっかい)
出産時、赤ちゃんが出てくるときに、会陰(膣の出口と肛門の間のところ)が十分に伸びていないと肛門や直腸まで裂傷をおこすことがあります。そうした危険性のあるときには必要に応じて、ハサミで会陰を切ることをいいます。切開する方向によって、正中切開、正中側切開、側切開の3種があります。
エコー
超音波診断装置のこと。画像で胎児や母胎の様子が確認でき、定期健診の際の胎児の発達管理などに活用されています。
LDR
L=Labor(陣痛)、D=Delivery(分娩)、R=Recovery(回復室)の頭文字で、別々だった各部屋を同一の部屋で行うシステムのこと。陣痛がピークに達してから、陣痛室から分娩室に移動する必要がありません。
おしるし
少量の血が混じったおりもののこと。お産が近くなると、子宮口が開きはじめたり、子宮が収縮して卵膜が子宮から少しはがれはじめたりして、出血することがあります。このおしるしがあると、数日以内に陣痛が始まるといわれ、お産が始まるサインのひとつに挙げられます。
おりもの
妊娠すると、エストロゲンというホルモンが大量に分泌され、子宮頸管の分泌物が増加し、おりものが増えるようになります。生理前にあるような白か薄いクリーム色のおりものなら、特に心配はありませんが、もし外陰部にかゆみがあり、白い粉チーズのような物が混じっているときは、カンジダ膣炎、白や黄色っぽくても、量が増えたときは、クラミジア、トリコモナスや細菌性膣炎などの可能性もあるので受診を。量が多くて不快なときは専用のシートを使用したりして、清潔を心がけて。

か行

回旋異常
(かいせんいじょう)
赤ちゃんは狭い産道を、骨盤のカーブに合わせて、からだを回旋しながら下りてきます。この回旋が正常どおりいかない状態をさします。お産が止まったり、微弱陣痛となりお産が長引くこともあります。この場合、陣痛促進剤の投与などで、陣痛を強めてお産がすすむようにしますが、あまりにお産が長引いたり、胎児の状態が悪くなったりすると、かん子分娩や吸引分娩、帝王切開などになります。
肩こり
(かたこり)
妊娠・出産に対する緊張や不安などから肩こりになる場合も。大きくなった乳房を支えていることも原因のひとつです。ストレッチをしたり、ゆっくりおふろに入ったりしてリラックスを。
かゆみ
妊娠によるホルモンの影響で皮膚が変化したり、子宮が胆嚢を圧迫し、胆汁酸の分泌を悪くしたり、肝臓に負担がかかることからおこります。予防はシャワーをまめに浴びて、下着も刺激の少ないものにかえること。かゆみが強い場合は、かきこわさないうちに、かかりつけ医に相談して、かゆみ止めの塗り薬などを処方してもらいます。
かん子分娩
(かんしぶんべん)
子宮口が開いているのに、赤ちゃんが出てこられないとき、かん子というサラダサーバーのような器具で赤ちゃんの頭をはさんで、引き出す分娩法。
基礎体温
(きそたいおん)
朝、目覚めてすぐに計った体温のこと。排卵日の前後を境にして、低温期と高温期にわかれます。排卵が起きると、黄体ホルモンの分泌が増えて、体温が上昇し、受精すれば妊娠12週くらいまで高温期が続きます。このため、妊娠初期は体が熱っぽい感じが続きます。妊娠していなければ、約2週間で生理がはじまり、低温期に入ります。
吸引分娩
(きゅういんぶんべん)
かん子分娩と同様に、お産がはじまっても、赤ちゃんがなかなか子宮口から出られないときに、金属やシリコン製カップを頭に吸着させて、引き出す分娩法。
経膣自然分娩
(けいちつしぜんぶんべん)
文字通り、膣を経過して(産道を通って)出産する分娩法のこと。
後陣痛
(こうじんつう)
産後、子宮が収縮するときに、陣痛のようにおなかが痛むことをいいます。妊娠・出産で大きくなった子宮は、産後約12時間でおへそのあたりまで収縮し、その後は徐々に小さくなり、約1ヶ月かけて元の大きさまで戻ります。
呼吸法
(こきゅうほう)
お産がはじまってからの呼吸のしかたで、緊張をほぐしてリラックスしたり、いきみをのがしたりします。両親学級などでアドバイスしてもらえます。「吸う」より「吐く」に意識を集中して呼吸すると、からだの緊張がとれてリラックスできます。
骨盤位
(こつばんい)
おなかの中の赤ちゃんが頭を上にしていること。28週前後で3人にひとりの割合といわれますが、出産までにほとんどの赤ちゃんは自然に頭が下になります。また、さかごが治らなくても、おしりから出産できる場合は経膣分娩も可能。子宮口側に足があったり、へその緒が首に巻き付いている場合などは、帝王切開になります。
こむら返り
(こむらがえり)
体重が増えてきて、足の筋肉に負担がかかったり、大きくなったおなかに圧迫されたりして、下半身の血流が悪くなり、足の裏やふくらはぎがつること。妊娠中期くらいからよく見られる症状で、夜寝ているときなどに起こります。足がつった時は、足の指を甲の方へそらせ、軽く足全体のマッサージをして、筋肉のストレッチをすると治ります。カルシウム不足によることも多いため、バランスの良い食事をとりましょう。

さ行

臍帯
(さいたい)
お母さんの胎盤と赤ちゃんをつなぐもの。2本の動脈と1本の静脈が通っていて、赤ちゃんはこれを通して、酸素や栄養素をお母さんの体からもらい、二酸化炭素や老廃物を戻しています。
さかご
おなかの中の赤ちゃんが頭を上にしていること。28週前後で3人にひとりの割合といわれますが、出産までにほとんどの赤ちゃんは自然に頭が下になります。また、さかごが治らなくても、おしりから出産できる場合は経膣分娩も可能。子宮口側に足があったり、へその緒が首に巻き付いている場合などは、帝王切開になります。

(じ)
肛門疾患の総称。妊娠中になりやすいのは、おもに内痔核で、肛門や直腸あたりの静脈が、大きくなった子宮に圧迫されて、うっ血してできやすくなります。さらに妊娠中は便秘になりやすいので、裂肛(切れ痔)や痔核(イボ痔)になることも。さらに分娩時のいきみや胎児の頭の圧迫で脱肛になることもあります。
弛緩出血
(しかんしゅっけつ)
お産のあと、胎盤がはがれた所からの出血が止まらず、大出血を起こすこと。子宮筋の収縮が悪いときに起こり、多胎や大きな赤ちゃんで子宮への負担が大きく、子宮筋が伸びきった状態になったり、妊娠中毒症で子宮の機能が落ちている人に起こりやすくなります。
子宮頸管無力症
(しきゅうけいかんむりょくしょう)
子宮頸管の力が弱い症状。赤ちゃんが大きくなってくると、その重みを支えきれず、陣痛がないのに子宮口が開いて、早産になることがあります。そのため、予めわかっている場合は、頸管を縛る子宮頸管縫縮術という手術をします。
児頭骨盤不均衡
(じとうこつばんふきんこう)
骨盤の広さに対して、赤ちゃんの頭が大きいこと。赤ちゃんが骨盤を通過するのが難しいので帝王切開になる可能性があります。臨月近くの超音波検査や骨盤X線検査などで、両方の大きさを見て、予定帝王切開になることがほとんどですが、お産がはじまって、なかなか赤ちゃんが下りて来られずに、緊急帝王切開になることも。
しみ
妊娠によるホルモンの影響で、メラニン色素が増えて沈着しやすくなり、しみ・そばかすが目立つようになることもあります。
シムスの姿勢
(しむすのしせい)
片ひざを曲げた姿勢で横たわること。妊婦さんがリラックスできる姿勢です。おなかの張りが気になるときなどは、この姿勢でしばらく横になって休むといいといわれています。
出血
(しゅっけつ)
妊娠中の出血には、さまざまな原因が考えられます。常位胎盤早期剥離、流産や早産、子宮外妊娠、前置胎盤などの異常の前兆もあります。出血したら、まず主治医の診察を受けましょう。
出産費貸付制度(融資)
(しゅっさんひかしつけせいど)
勤務先の健康保険や国民健康保険に加入している人が、出産育児一時金が支給されるまでの間に医療機関への支払い分を無利子で貸し付けてもらえる制度のこと。 出産育児一時金は出産後に請求して支払われるため、退院時の精算には間に合わないため、一時金が支給されるまでに自費で立て替えることが困難な人のための制度です。貸付を受けるには各種健康保険に加入していることが条件で、出産予定日まで1ヶ月以内、あるいは妊娠4ヶ月以上で医療機関に支払いが必要になった人で、貸付限度額は出産育児一時金の8割です。
出産予定日
(しゅっさんよていび)
最終月経の初日から数えて280日目(40週)の日。最終月経の初日の月から3を引き(引けないときは9を足して)、日に7を足して計算できます。ただし、この予定日はあくまで目安でしかありません。出産予定日の前の3週間と、その後の2週間以内は、正期のお産となります。
常位胎盤早期剥離
(じょういたいばんそうきはくり)
通常は出産直後にはがれる胎盤が、出産する前、胎児が子宮内にいる間にはがれて、子宮内で大出血を起こす疾患。母子ともに胎盤が剥離することです。
静脈瘤
(じょうみゃくりゅう)
静脈内の血液がたまり、こぶのようにふくらむこと。妊娠すると腹部の大静脈が大きくなった子宮に圧迫されて、下半身の血液が大静脈に戻りにくくなります。そのうえホルモンの影響で血液壁もゆるんでくるので、足や、外陰部、膣などに静脈瘤ができることがあります。
陣痛
(じんつう)
赤ちゃんを子宮の外に押し出すために、子宮が収縮するときの痛み。痛みの程度は人それぞれですが、次第に痛みが増して間隔も狭まってきます。陣痛が10分おきになったら、お産がはじまる本格的なサインです。
陣痛促進剤
(じんつうそくしんざい)
子宮の収縮を強める薬のこと。陣痛が強くならずお産が長引いたり、破水したのになかなか陣痛がはじまらない、また、予定日を過ぎてもお産がはじまらず、胎盤の機能低下の心配があるときなどに使われます。オキシトシンとプロスタグラディンという2種類の薬があります。
陣痛微弱
(じんつうびじゃく)
お産がはじまったのに、陣痛がなかなか強くならずに、赤ちゃんが下りて来られない様子。経膣自然分娩を予定していても、微弱陣痛の場合、お産が長びきますので、陣痛促進剤を使用し陣痛を強化したり、子宮口が全開している場合は吸引かかん子分娩を行いますが、胎児の状態が悪くなるか、陣痛促進剤に反応せず有効な陣痛が起こらない、母体の疲労が著しい場合などには緊急帝王切開になることがあります。
心拍
(しんぱく)
心拍とは心臓の動きのこと。おなかの赤ちゃんが元気に育っているかの確認のひとつとして、健診の際に超音波診断装置(エコー)を使って心拍の有無を調べます。心拍はだいたい妊娠6週目ごろから確認できると言われています。
頭痛
(ずつう)
初めての妊娠・出産に対する不安・緊張などから頭痛が起こることもあります。どんなことが不安なのか、心配なのかを、夫をはじめまわりの人に話して、不安を解消していくことで、痛みが和らぐこともあります。ただし、油断は禁物で、頭の中に病気が見つかることもありますから(脳腫瘍や血管の異常など)ひどい場合やなかなか改善しない場合には、かかりつけ医に相談を。
切迫早産
(せっぱくそうざん)
妊娠22週から36週の間に、赤ちゃんが生まれることを「早産」といい、「切迫早産」はその手前の状態。多胎妊娠や妊娠中毒症、子宮筋腫などの合併症、感染症などの原因が考えられます。出血やおなかの張り、痛みなどの兆候がある場合は、急いで病院へ。適切な処置を施すことで、早産をくい止めることができます。
前駆陣痛
(ぜんくじんつう)
陣痛かと思ったのに、不規則で強くなったり弱くなったりして、結局は痛みが遠のいてしまうこと。痛みが規則的になって、だんだん強くなるようなら本物の「陣痛」ですが、「これは陣痛?」と迷うような痛みの場合は、ほとんどが「前駆陣痛」で、しだいにおさまります。
前置胎盤
(ぜんちたいばん)
通常、子宮底部(子宮口と反対側の底)から体部(子宮口から子宮底までの間)につくはずの胎盤が、子宮の入り口をふさぐ形でついている状態。胎盤が完全に子宮口をふさいでいるものを「全前置胎盤」、一部をふさいでいるものを「部分前置胎盤」、胎盤の下の縁が子宮口に少しかかっているものを「辺縁前置胎盤」と言います。その程度によって、お産の対応が異なり、「全前置胎盤」の場合は、ほぼ帝王切開になります。
そばかす
妊娠によるホルモンの影響で、メラニン色素が増えて沈着しやすくなり、しみ・そばかすが目立つようになることもあります。
ソフロロジー
ヨガや瞑想をベースに、陣痛の痛みをあるがままに受け止める、という東洋的な考え方をもとにしたお産の方法のひとつ。座禅のポーズでフーッとゆっくりと息を吐きながら、瞑想をしてリラックスします。妊娠中から呼吸法や、ヨガや瞑想などのイメージトレーニングをしておきます。母親学級などでしっかりと講習をうけておくことも大事です。

た行

胎児仮死
(たいじかし)
お産の途中で赤ちゃんに酸素が届きにくくなり、酸血症(赤ちゃんの血液が酸性)の状態にあること。赤ちゃんの心拍が異常に早くなったり遅くなったりします。へその緒が巻き付いていたり、前置胎盤で大出血を起こした時、常位胎盤早期剥離、お産が長引いたときなどに起こります。この状態が長く続くと赤ちゃんへの影響が心配されるので、吸引分娩やかん子分娩、または帝王切開になることがあります。
体重管理
(たいじゅうかんり)
妊娠中の肥満はトラブルの原因。妊娠中の体重増加は妊娠中毒症や糖尿病になりやすいうえに、難産になりやすいので、体重コントロールを心掛けたいもの。体重増加の目安は、妊娠前の体重が標準体重の人は7~10kg以内、太めの人は5~6kg以内、やせ気味の人は11~13kg以内です。ただし、やみくもにダイエットするのではなく、バランスのよい食生活と適度な運動が必要。
胎動
(たいどう)
赤ちゃんが子宮の中で動くこと。早い人で5ヶ月目の後半くらいから感じ始めます。赤ちゃんの動きもお母さんの感じ方もいろいろなので、胎動を感じる時期は個人差があります。
胎盤
(たいばん)
子宮内で胎児を育てるために作られる重要な臓器。だいだい妊娠15週くらいで完成し、それを目安に安定期に入ります。胎児は羊水の中で胎盤から臍帯(へその緒)を通して、栄養摂取や呼吸を行うようになります。
胎盤遺残
(たいばんいざん)
赤ちゃんが産まれた直後、通常は胎盤が子宮壁からはがれて体外に娩出されますが、胎盤のはがれ方が不十分で、一部が子宮内に残ってしまう状態のこと。胎盤遺残があると、子宮の回復が妨げられたり、弛緩出血などが起こったり、感染症にかかる恐れがあるため、遺残した胎盤を取り除く処置が必要になります。
胎盤機能不全
(たいばんきのうふぜん)
胎盤の働きがうまくいかなくなる状態で、胎児に栄養や酸素がうまく供給できなくなります。妊娠中期から起こることもあります。胎盤の機能が低下し赤ちゃんへ充分な栄養や酸素が届かなくなるため、陣痛促進剤を投与しできるだけ早く分娩を終えるようにしますが、胎児の状態が悪化すれば帝王切開となる場合があります。
多胎妊娠
(たたいにんしん)
双子以上の赤ちゃんを妊娠すること。
立ち会い出産
(たちあいしゅっさん)
夫や家族が出産の場に立ち会うこと。立ち会うためには、予め両親学級に出席していることを条件とする病産院もあります。
たちくらみ
血液中の赤血球が減ってしまった状態。妊娠すると全体の血液量は増えますが、赤血球はそれほど増えず、赤血球濃度が薄くなります。さらに、おなかの赤ちゃんも母体から鉄分を奪っていくので、鉄分不足の貧血になりやすくなります。また自律神経が不安定になりやすく、血圧のコントロールがうまくいかず脳に行く血液が減り、立ちくらみを起こすことがあります。
脱肛
(だっこう)
文字通り、肛門が出てきて戻らなくなった状態。お産によるいきみや、胎児の頭の圧迫によってなることがあります。痛みがあるときは主治医に相談しましょう。
父親学級
(ちちおやがっきゅう)
各市区町村の保健所や母子健康センター、病産院で行われます。プログラムの内容は実施機関によって異なりますが、お産の流れを学んだり、妊娠体操や呼吸法の実技、栄養指導、新生児の沐浴指導などが行われます。最近では父親も一緒に参加して妊娠・出産・育児について学ぶ「父親学級」「両親学級」を開催するところも増えています。
超音波検査
(ちょうおんぱけんさ)
超音波診断装置のこと。画像で胎児や母胎の様子が確認でき、定期健診の際の胎児の発達管理などに活用されています。
帝王切開
(ていおうせっかい)
経膣分娩不可能な場合や経膣分娩では危険性が高いと判断された場合に、おなかを切って、赤ちゃんを取り出す方法。胎児の大きさや母体の健康状態などから診断し、陣痛が起きる前に計画的に行う「予定帝王切開」と、お産の途中でトラブルが発生し、母子が危険と判断されたときに行う「緊急帝王切開」があります。
定期健診
(ていきけんしん)
妊娠がわかってから出産するまで、定期的に通院して検査や保険指導を受けること。回数は病産院によって異なりますが、一般的には、流産が起こりやすい妊娠10週までは2週間に1回、その後24~27週までは4週間に1回、25~28から35週までは2週間に1回、36週以降は1週間に1回になります。健診時には、体重測定・尿検査・内診・血圧測定・胎児の心音確認・腹囲・子宮底長の測定・むくみの検査などを行います。
低出生体重児
(ていしゅっせいたいじゅうじ)
出生時の体重が2500g未満の赤ちゃんのこと。様子に応じて保育器で数日過ごす場合があります。
動悸
(どうき)
息苦しくなったり、心臓がどきどきすること。妊娠すると、子宮が大きくなるにしたがって横隔膜を押し上げるので、肺が圧迫されて呼吸が苦しく感じられます。また、赤ちゃんが大きくなるにつれ、血液量が増えるので、心臓の負担が大きくなり動悸を感じることがあります。

な行

妊娠うつ
(にんしんうつ)
妊娠をきっかけに、気分が沈む、興味が失せる、くよくよ悩むなどの、軽い憂うつ感を感じること。
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)
以前は『妊娠中毒症』と言われていた症状で、妊娠20週以降、分娩後12週まで血圧の上昇、または、高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものではないものをいいます。症状が悪化すると母子ともに危険なもの。体重管理や薄味でバランスのよい食生活、充分な休養を取るなどして予防します。
妊娠性掻痒
(にんしんせいそうよう)
妊娠によるホルモンの影響で皮膚が変化したり、子宮が胆嚢を圧迫し、胆汁酸の分泌を悪くしたり、肝臓に負担がかかることからおこります。予防はシャワーをまめに浴びて、下着も刺激の少ないものにかえること。かゆみが強い場合は、かきこわさないうちに、かかりつけ医に相談して、かゆみ止めの塗り薬などを処方してもらいます。
妊娠線
(にんしんせん)
おなかが大きくなり始める6ヶ月ごろから出始めます。急激に大きくなったおなかで、皮膚が急に伸ばされ、皮膚の弾性繊維が変性してできる皮膚線条です。
妊婦帯
(にんぷたい)
妊娠5ヶ月頃から着けはじめるもの。おなかの冷えを予防し、おなかを支える役割があります。サラシの布をグルグルとおなかに巻く腹帯、伸縮性のある筒状の帯でおなかをすっぽり包む妊娠帯、サイズ調節が可能で、おなかとおしりを下からしっかり支えるマタニティガードルなどがあります。

は行

バースプラン
文字通り「出産計画」のことで、どういうお産をしたいかという計画案です。予めバースプラン提出を求められる病産院もありますが、特にたずねられない場合も、プランに上げた希望を伝えて話し合いをするなかで、自分に適した出産を選ぶようにしましょう。
破水
(はすい)
赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、羊水が外に流れ出すこと。ほとんどは陣痛がピークにさしかかるころに起こりますが、陣痛がはじまる前に破水することがあり、これを「前期破水」といいます。これがお産のはじまりになる人もいて、前期破水すると、まもなく陣痛が始まりますので、急いで病院へ。お風呂に入ってはいけません。
母親学級
(ははおやがっきゅう)
各市区町村の保健所や母子健康センター、病産院で行われます。プログラムの内容は実施機関によって異なりますが、お産の流れを学んだり、妊娠体操や呼吸法の実技、栄養指導、新生児の沐浴指導などが行われます。最近では父親も一緒に参加して妊娠・出産・育児について学ぶ「父親学級」「両親学級」を開催するところも増えています。
腹帯
(はらおび)
妊娠5ヶ月頃から着けはじめるもの。おなかの冷えを予防し、おなかを支える役割があります。サラシの布をグルグルとおなかに巻く腹帯、伸縮性のある筒状の帯でおなかをすっぽり包む妊娠帯、サイズ調節が可能で、おなかとおしりを下からしっかり支えるマタニティガードルなどがあります。
貧血
(ひんけつ)
血液中の赤血球が減ってしまった状態。妊娠すると全体の血液量は増えますが、赤血球はそれほど増えず、赤血球濃度が薄くなります。さらに、おなかの赤ちゃんも母体から鉄分を奪っていくので、鉄分不足の貧血になりやすくなります。また自律神経が不安定になりやすく、血圧のコントロールがうまくいかず脳に行く血液が減り、立ちくらみを起こすことがあります。
頻尿
(ひんにょう)
妊娠28週~32週を過ぎると、大きくなった子宮が膀胱を圧迫するので、おしっこが近くなり、尿意を感じて急いでトイレに行くというせわしない思いをすることが多くなります。また、膀胱炎を起こしていることがあるので、主治医に相談しましょう。
へその緒
(へそのお)
お母さんの胎盤と赤ちゃんをつなぐもの。2本の動脈と1本の静脈が通っていて、赤ちゃんはこれを通して、酸素や栄養素をお母さんの体からもらい、二酸化炭素や老廃物を戻しています。
便秘
(べんぴ)
排便の回数または量が異常に減少、便が固くなり、排便が順調に行われない状態のこと。妊娠による黄体ホルモンの分泌が、筋肉を弛緩させ腸の働きを鈍らせます。また大きくなった子宮による腸の圧迫が、大腸の動きを鈍らせたりすることから、妊婦さんは便秘になりやすくなります。また、おなかの赤ちゃんが気になって、トイレに入ってもなかなかいきめないことも原因のひとつ。食物繊維を多く含む食物の摂取を心がけるようにしましょう。
母子健康手帳
(ぼしけんこうてちょう)
一般的に「母子手帳」と呼ばれるもの。自分の住んでいる(住民票のある)役所の戸籍課や住民課などに直接行って母子手帳を申請し、簡単な書類に記入すれば多くの場合すぐ交付してくれます。妊娠中の経過や出産の状態、産後の子どもの健診データや予防接種など、妊娠中から子どもが就学するまでの、大切な記録が残ります。妊娠中は定期健診時に必ず持参。そのほかの外出時も緊急に備えて、常時携帯が基本。
母子同室
(ぼしどうしつ)
産後すぐから赤ちゃんと一緒の部屋で過ごすこと。赤ちゃんのペースに合わせて母乳をあげられる、いつでも赤ちゃんと触れあえるなどのメリットがあります。ただし、夜中に何度も泣き声で起きることになり、産後の疲れた母体が休まらないという面も。どちらがよいかは、お母さんの考え方しだいです。
母性健康管理指導事項連絡カード
(ぼせいけんこうかんりしどうじこうれんらくかーど)
主治医が働く妊婦さんに必要だと判断した措置を雇用者に連絡するためのもの。診断書と同様の意味があります。仕事の内容によっては、休憩時間をこまめに取ったり、危険な仕事から外してもらったり、深夜や早朝勤務を制限したほうがいい場合もあるので、主治医に相談を。カードは母子健康手帳についているほか、厚生労働省のホームページからも入手できます。

ま行

マタニティエアロビクス
妊婦さんを対象にしたエアロビクス。妊娠中の適度な運動は、気分転換になるのはもちろん、筋力や体力アップ、体重管理にも役立ちます。はじめるときには医師に相談し、専門知識のある指導者が行うレッスンを選びましょう。
マタニティガードル
妊娠5ヶ月頃から着けはじめるもの。おなかの冷えを予防し、おなかを支える役割があります。サラシの布をグルグルとおなかに巻く腹帯、伸縮性のある筒状の帯でおなかをすっぽり包む妊娠帯、サイズ調節が可能で、おなかとおしりを下からしっかり支えるマタニティガードルなどがあります。
マタニティスイミング
妊婦さんを対象に行われるスイミングレッスン。はじめるときには医師に相談し、専門知識のある指導者が行うレッスンを選びましょう。重い体も水中では軽くなるので、人気があります。
マタニティヨガ
マタニティヨガとは、妊婦向けに、心身ともにリラックスさせる負担のかからない運動を中心とし、骨盤を広げ出産に適した筋肉を養成するヨガのこと。ヨガの呼吸法を習得することで、出産時の精神的不安を軽減し、スムーズなお産にも役立つと言われています。
むくみ
妊娠後期になると、血管の通りをよくして、赤ちゃんにたくさんの血を運べるように、血液中の水分が多くなります。これが細胞にも水分を行き渡らせるために、むくみが出やすくなります。妊娠中毒症が心配されますので主治医に相談してください。立ちっぱなし、長距離を歩く、過労は避けましょう。食事に気をつける、足を高くして寝るなどするのがベター。
虫歯
(むしば)
妊娠するとホルモンの影響で、唾液が変化することがあり、虫歯になる妊婦さんは少なくありません。赤ちゃんが生まれると、歯医者に通うことも大変になるので、妊娠中に治療をすませた方が楽ですが、急いで治療しなくて済むのなら出産が終わってからの方がベターなこともあります。歯の検診に行って虫歯の状態と治療法を確認した上で、お産の主治医と歯科医に相談してみるとよいでしょう。歯の治療に使う麻酔は、局所麻酔なので、まず問題はありませんが、歯医者にかかるときは、必ず妊娠していることを伝えましょう。
無痛分娩
(むつうぶんべん)
麻酔を使って、陣痛の痛みを緩和する方法。本人の希望により予め準備するほか、軟産道がかたい、過強陣痛などのトラブルから、分娩の途中で切り替えられることも。軟産道の抵抗が減るので、赤ちゃんにも余計なストレスがかからず、産後の回復が早いメリットがあります。ただし、収縮剤やかん子・吸引分娩になる可能性は高くなります。

や行

腰痛
(ようつう)
大きなおなかを抱えて歩く妊婦さんにとって、腰痛は頻繁にみられる症状。さらにホルモンの働きで、分娩時に赤ちゃんが通りやすいよう骨盤の関節がゆるみはじめることも原因です。腹帯やマタニティガードルで腰を支えたり、腰痛体操などで体を動かして予防しましょう。

ら行

ラマーズ法
(らまーずほう)
ラマーズ法はフランス人の産科医ラマーズが世界中に広めた分娩方法で、身心の緊張を解いて、力をいれず、いきまず、可能な限り自然の子宮収縮で分娩を行う方法。弛緩法と呼吸法になりますが、陣痛が強まってきたときは「ヒッ・ヒッ・フー」、いきみたいけど我慢しなければという時には「ヒッ・ヒッ・フー・ウン」などと、お産の進行に合わせて、やり方が決まっています。
両親学級
(りょうしんがっきゅう)
各市区町村の保健所や母子健康センター、病産院で行われます。プログラムの内容は実施機関によって異なりますが、お産の流れを学んだり、妊娠体操や呼吸法の実技、栄養指導、新生児の沐浴指導などが行われます。最近では父親も一緒に参加して妊娠・出産・育児について学ぶ「父親学級」「両親学級」を開催するところも増えています。
臨月
(りんげつ)
妊娠36週~40週、つまり10ヶ月目のこと。赤ちゃんは、いつ生まれてもよいまでに成長しています。この頃になると赤ちゃんが下がり、胃が軽くなるので、急に食欲が出る場合もありますが、体重管理には充分に気をつけて。

わ行

和痛分娩
(わつうぶんべん)
麻酔ガスや静脈麻酔剤、局所麻酔剤などを使って陣痛の痛みを緩和させながら、分娩すること。硬膜外麻酔分娩が多い。